心霊写真に写っていたものは?

update 2005.3/12

あれはいったい?

テレビや本でよく心霊写真を目にします。いったいあれはなんなのでしょう? でも。たしかに人の顔に見えますね。写した時には気づかなかったのに、あとで写真を見たら、そこに、、、 みたいな。最近はデジカメやビデオの心霊写真も話題になったりするんですねえ。あれはいったいなんなのでしょう? 実は本当に霊なのでしょうか。そもそも霊って、何??

  というわけでまず心霊写真の特徴をまとめたいのですが、世の中心霊写真は山ほどあるので、一概にくくれません。例外もいっぱい。ですが、まあ次のような特徴に関して考えていきましょう。

・フィルム、デジカメを問わず写真に写る
・人の姿と認識できる
・赤とか青と決まった色ではない(白っぽいのもありますね)
・撮影したときには気づかなかった。でも写ってた

カメラに写るもの

 フィルムだろうとCCDだろうと原理は一緒です。
 ハロゲン化銀もフォトダイオードも3原色が基本

  そもそも写真ってどうやって写るのでしょう? まずレンズでもミラーでも良いから映像を感光面に結像させて、そこでフィルムかCCDで記録します。フィルムはハロゲン化銀粒子がたくさん塗ってあって、光が当たった粒子とそうじゃない粒子とでは、その後の現像の時の化学反応が違ってきます。これを利用して画像を作ります(だから銀塩写真と呼ぶんですって)。黒い銀粒子の濃淡で作るのが白黒写真で、それに色素を入れたのがカラーらしいです。
  一方デジカメはフィルムがある位置にCCDが置いてあります。こいつはフォトダイオードの集合体で、光の粒子から電子をチャージする特性がある微小な素子からできてます。入ってきた光の量に応じてチャージされる電子の量も変化するので、それを利用して濃淡を作ります。
  というふうに両者は全く違うメカニズムで映像を記録しています。ただ共通しているのは可視光線に反応するという点です。

 
 カメラの方がちょびっと広い波長の電磁場に反応します。
 「霊は必ず真っ赤に写ります」とか「真っ青に写ります」というふうに決まっていれば話は簡単です。目に見えない赤外線、もしくは紫外線で光っていると言えるからです。でも「白」ということは可視光です。それならヒトに見えるはず。。。

  また、霊は必ず赤い、とか必ず青いという法則も聞いたことがありません。どっちかというとそうじゃないように思います。なぜそんなことを言うかというと、フィルムやCCDは可視光よりも若干広い波長の光にまで感度があるからです。つまり紫外線や近赤外線の光も写せられるのです。

 お、それだ! 霊は赤外線や紫外線で光っているんだっ だから目には見えないけど写真に写るんだ! 

といきたいところです。でもそうは問屋が卸してくれません。感光する仕組みを考えてみましょう。フィルムやCCDには赤・青・緑の光に反応する感光剤、もしくは受光素子の3色1セットで構成されてて、それでカラーを合成します。そのうち青を担当するものが紫外線に、赤を担当するものが近赤外線に反応します。つまり紫外線で光るものはおもいっきり真っ青に。近赤外線で光るものはおもいっきり真っ赤に写ってしまうのです。天体写真で星雲がやたらハデに赤かったり青かったりするのはそのためです。目で見るとぼーっと白いのにね。心霊写真が真っ赤でも真っ青でもないってことは、霊はフィルムやCCDの感光剤(や受光素子)の赤・青・緑のどれにも反応させてる、、、可視光領域で光ってるってことです。

  ここでもう一つおもしろい点は、人の姿や表情がわかる心霊写真があるってことです(だから怖いんですがね)。これは霊の映像がフィルムもしくはCCDなどの撮像面付近に結像していることを示してます。

  カメラはレンズで映像をフィルムやCCDの表面に投影して撮影します。レンズなしでは写りません。その辺にフィルムや印画紙やCCDを放り出しておいても、一様に感光するだけなのです。カメラに写るためにはレンズで屈折して結像されなければならないのです。これがX線や電波だったらレンズどころかカメラごと貫いていきます。海外旅行の荷物検査でフィルムが感光しても、何か写真が写ったりはしないでしょう。フィルム全体が感光してしまうだけです。フィルム直前に手でも置いておけばレントゲンのように影絵として骨の写真は撮れるでしょうが、離れたものの姿が写ることはありません。つまり霊が写るって事は、その姿がレンズで屈折してるってことなのです。

  まとめますと、霊の姿は、フィルムやCCDという全く違うメカニズムに共通して反応して、ガラスやプラスチックレンズでうまいこと屈折して結像する特性を持ち、赤・青・緑の3色の感光剤・受光素子に偏ることなく反応させねばなりません。そして屈折という波に特徴的な性質も持ち、しかもフォトダイオードに反応するということなので粒子としての性質も併せ持つってことです。これらの特徴をすべて兼ね備えているもの、それはズバリ可視光線です。

 でも、写した時にはいなかったんですよぉ

  で、もし霊が可視光で光っているのならば、なぜ写したときに気づかなかったのでしょう。「可視」の領域の光のはずなのに。
  もしかしてめっちゃ暗くて、目には見えないけど高感度フィルムには写ったのでしょうか? いやあ、そんなわけないでしょう。だってよく目にする心霊写真はスナップ写真ですからね。露出時間はとても短いはずです。

 高感度フィルムによる天体写真には目にはとうてい見えないような暗い星も写ってますが、あれは数分から数十時間というとんでもなく長く露光して写しているのですよ。高感度とは名ばかり。口ほどにもありません(いや目ほどにもない)。スナップ写真はだいたい1/30〜1/2000秒くらいの短時間で撮っているのです。

  で、人の目ですが、これはとんでもなく高性能なのです。天の川でも昼の海辺でもなんでも来いです。最新の暗視カメラなら天の川も写るでしょう。でも日中の明るさではどうでしょう。それぞれ専門のカメラを準備したら対応できるかもしれません。でも人の目ならば、この惑星上のありとあらゆる明るさに対応できます。しかもフルカラー。動画で。すばらしい。しかも明るさが極端に違う被写体が近接してても脳が画像処理して対応してくれます。満月の夜景や、夕日とビル、淡い桜と青空、クロスニコルの偏光顕微鏡、など明るいものと暗いものが共存する風景は写真では難しいのです。片方に露出を合わせると、もう片方がダメなのです。月の模様と光る雲と照らし出された山々の風景は同時には露出が合わないのです。本来なら。あれは脳の中の風景なのです。いやあ目ってすごいなあ、、

  で、なくて本題に戻ると、スナップ写真に写る程度の被写体が目に見えないわけがありません。気づかなかったのならしょうがないのですが。もし必ず心霊写真が撮れる名所があれば、必ず気づくはずだと思います。

「あ! 霊だ!!」 
「あそこ、あそこ」 
「いる、いる」 
「カメラ〜 早くう」 
カシャッカシャッ 
「お〜写ったなあ」
みたいな。

 そういう意味ではUFOやネッシーを目撃して、その証拠写真を撮った話の方がわかりやすいです。
(その2へつづく)

 

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